ミスチル ヒーロー

例えば誰か一人の命と引き替えに世界を救えるとして、
僕は誰かが名乗りを出るのを待っているだけの男だ。
愛すべきたくさんの人達が、僕を臆病者に変えてしてしまったんだ。

小さい頃に身振り手振りを真似て見せた、憧れになろうかなんて大それた気持ちはない。
でもHEROになりたい。ただ一人君にとっての。
つまずいたり転んだりするのなら、そっと手を差し伸べるよ。

駄目な映画を盛り上げるために、簡単に命が捨てられていく。
違う僕らが見ていたいのは希望に満ちた光だ。

僕の手を握る少し小さな手、すると胸のよどみを溶かしていくんだ。

人生をフルコースで深く味わうための、いくつものスパイスが誰もに用意されていて、
時には苦かったり、渋く思うこともあるだろう。
そして、最後のデザートを笑って食べる君の側に、僕はいたい。

残酷に過ぎる時間の中で、きっと十分に僕も大人になったんだ。
悲しくはない、切なさもない。
ただこうして繰り返されてきたことが、そう、こうして繰り返していくことが、
うれしい、愛しい。

ずっとHEROでありたい。
ただ一人君にとっての。
ちっとも謎めいてないし、今更もう秘密はない。
でもHEROになりたい。
ただ一人君にとっての。
つまずいたり転んだりするようなら、そっと手を差し伸べるよ